デヴィッド・エドモンズ, ジョン・エーディナウ『ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い10分間の大激論の謎』
メモ
この本の書名からは、二人の哲学者が交わした10分の議論を中心として、二人の哲学それぞれを解説し、二人の違いはどこにあったのかを論じていく……といった内容を想像されるかと思います。ところがそうではなく、この本はまさに文字通りに、その激論のときに何があったのかという事実を検討する事を目的としています。
本書は「ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い10分間の大激論」について書いてあるというよりも、そのテーマでは20ページくらいで、「ちゃん、ちゃん」と終わってしまうために、二人の関連人物、家族、時代風景を述べることでページかせぎをした本という印象。火かき棒のエピソードは実は脇役エピソードです。メインは人間模様と時代背景です。